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めまい、吐き気

めまい

めまいの原因を考える上では、どのようなタイミングでめまいが出現し、何をすると悪化するのかといった点が重要です。また、めまい以外に耳鳴りや難聴を伴っているかどうか、呂律の問題や手足の力の入りにくさなど神経学的な異常を伴っているかどうかに注意して診断を行います。多くは耳鼻科系に原因があることが多いですが、心臓などの循環器や脳血管の問題でめまいが起こることもあります。

良性発作性頭位めまい症

めまいの原因で最も多いと考えられています。典型的には朝の起床時に布団やベッドから起き上がった後や、夜中にトイレへ起きたときなどに、急に目の前がグルングルン回るような強いめまいと吐き気が出現します。症状がひどい時は真っ直ぐに歩けなかったり、嘔吐することがあります。頭を動かすことで症状が誘発され、じっと動かないでいるとめまいは一時的に消失します。三半規管の耳石の異常が原因と考えられています。聴覚の異常や、手足に力が入らなかったり痺れたりといった神経の症状は認めません。初日が最も症状が強く、2週間以内に多くは改善します。

メニエール病

発作的なめまい、吐き気とともに耳鳴り・難聴・耳閉感などの聴覚障害が同時に起こる病気です。症状は数分〜数時間と比較的短いですが、反復する特徴があります。内リンパ水腫という内耳の不調が原因といわれ、ストレスが誘引になって発症することが多いです。

前庭神経炎

風邪などが1〜2週間先行し、急に激しいめまいと吐き気を起こして発症します。ウイルス感染が原因で、前庭神経などの脳神経が障害されて起こるとされています。耳鳴りや難聴などは認めません。良性発作性頭位めまい症と異なり、じっとしていてもめまい症状は持続して改善しません。めまいの中でも最も激烈な症状と言われ、耳鼻咽喉科での入院対応が必要になることがあります。

起立性低血圧

立ち上がった直後に起こるめまいで、目の前が真っ暗・真っ白になり、ひどい時には意識を失うこともあります。血圧調整に問題があり、脳に送る血液が一時的に不足することで症状が出現します。高齢者の入浴後などに多くみられる他、糖尿病やパーキンソン病などに伴う自律神経障害、薬剤、貧血、脱水などが原因となります。

脳血管障害

脳出血や脳梗塞といった、脳血管の異常が原因でめまいを認めることがあります。主に後頭部の小脳や脳幹といわれる部分の異常でめまいが起こります。呂律がまわらない、手足に力が入らないなどの神経の症状を伴うことが多く、このような場合にはすぐに病院を受診する必要があります。

 

吐き気

多くは消化器系の病気に伴って吐き気を認めますが、三半規管の異常など耳鼻科的な問題や、脳神経の問題でも吐き気を認めることがあります。いつからどのような経過で吐き気が出現したのか、また吐き気に随伴する症状はないかといった観点から、症状の原因について詳しく診察を行います。

感染性胃腸炎

吐き気の原因として最も多い疾患です。ウイルスや細菌が消化管に侵入し、ときに発熱や下痢、腹痛などを伴います。症状が強いと嘔吐を繰り返すことがありますが、症状自体は数日で自然に落ち着いてくるのが一般的です。

急性胃炎・胃潰瘍

胃の粘膜が荒れることで、胃の痛みや不快感、むかつきと共に吐き気を認めます。空腹時や食後に症状が悪化することが多く、食欲が落ちることもあります。鎮痛剤の常用や、ストレスや環境変化などが誘引となることがあります。

腸閉塞

お腹の手術歴などがある場合に、ある時を境に便やガスが出なくなり、それと共にお腹が張って腹痛と吐き気を起こします。腸の一部が閉塞することで、腸の内容物が下に流れなくなるため、飲食しても嘔吐してしまいます。レントゲンで特徴的な所見を認めることで診断されます。基本的に入院が必要です。

偏頭痛

偏頭痛の多くは激しい頭痛とともに吐き気を認めます。症状が強いと嘔吐を繰り返すことがあります。両親のいずれかが若い頃に頭痛持ちであったりすると、遺伝的要素で偏頭痛になる可能性が上がります。専用のお薬で予防的な治療が可能です。

他の重要な吐き気の原因

心筋梗塞でも吐き気を認めることがあります。特に糖尿病をお持ちの場合は、典型的な胸の痛みを感じないにも関わらず、冷や汗や吐き気のみを認めるケースがありますので注意が必要です。

また、正常妊娠でも吐き気を認めます。これはいわゆる「つわり」による吐き気ですが、しばしば病気と思って受診される方がおられます。女性で妊娠の可能性がある場合は、月経のリズムが崩れていないか注意して下さい。

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