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腹痛、下痢

腹痛

腹痛は非常に多くの病気でみられます。痛みが起こる場所、痛みが出現してからの経過、何をすると痛みが悪化するのか、痛み以外の症状には何があるのか、などの点に着目しながら原因を探っていきます。身体診察に加えてレントゲン、血液検査や尿検査、腹部超音波などを必要に応じて行います。

感染性胃腸炎(ウイルス性胃腸炎)

感染性胃腸炎では波のある腹痛と共に、吐き気や下痢、熱などを認めます。腹痛は比較的広い範囲で認められ、特定の箇所に痛みが限定されることはあまりありません。痛みの程度は我慢できる範囲に収まることが多いです。基本的に時間の経過と共に自然に症状は改善します。

細菌性腸炎

生肉や不衛生な食品から特定の細菌が腸内に入ることで発症します。発熱、下痢、波のある強い腹痛などを認め、ときに下痢便に血が混ざった暗赤色の血便を認めることもあります。鳥刺しなどの生の鶏肉からキャンピロバクター腸炎になると、インフルエンザのような38度を超える高熱を伴うケースがみられます。

便秘症

排便が滞っている場合には腹痛や腹部の膨満感を自覚します。便秘が痛みの原因である場合には、おならや排便によって一時的に腹痛が改善します。日頃から排便の頻度が少ない場合には便秘を疑いますが、一見毎日のように排便しているケースでも、実際にはお腹の中に常に便が滞っているケースも多くみられるため、症状から便秘の疑いがある場合にはレントゲン検査などで便やガスの程度を確認します。

胃炎・胃潰瘍

食事によって痛みが悪化したり改善したりと、食事と痛みの程度が関連している場合には、消化管の病気を疑います。中でも胃炎や胃潰瘍は頻度が高く、食後にみぞおちの痛みを感じる場合にはまずこれらを疑います。飲酒や喫煙、食べ過ぎ、ストレスなどがリスクとなります。吐き気を伴うこともあります。自覚症状が強い場合には内視鏡検査をご提案することがあります。

急性虫垂炎

見逃せない腹痛の原因に急性虫垂炎があります。俗に「盲腸」などと言われますが、みぞおちから痛みが始まり、炎症の進行とともに痛みが右下腹部へと移動するのが特徴です。比較的強い腹痛と共に発熱を伴うこともあります。場合によっては手術が必要になるため、虫垂炎が疑われる場合には近隣総合病院の外科へご紹介致します。

腸閉塞

おなかの手術歴がある方で、あるときから急にお腹の痛みと共に吐き気や嘔吐が出現した場合には腸閉塞を考えます。腸閉塞は腸の一部に通過障害を起こしており、食事が下へ流れないため食事摂取が困難となります。便やガスが認められなくなることも重要な特徴です。お腹のレントゲンでニボーと呼ばれる特徴的な腸管ガスの所見を認めます。原因精査のためのCT検査や点滴、専門処置が必要となるため、診断された場合は近隣総合病院へご紹介となります。

虚血性腸炎

もともと高血圧や糖尿病など動脈硬化の原因となるような慢性生活習慣病を持っているご高齢の方で、急な腹痛と共に血便を認める場合には虚血性腸炎を疑います。痛みの原因は腸に栄養を送る血管に十分な血液が供給されないことによる虚血による痛みであり、比較的強い腹痛となります。脱水がベースにあることが多く、食事を止めて点滴を行う必要があるため、近隣総合病院へご紹介の上で入院対応となります。

大腸憩室炎

大腸の壁から外側に向けて膨らんだ小さい小部屋のような空間を大腸憩室と呼びますが、そこに便の塊などが入って炎症を起こすと憩室炎となります。通常はお腹の特定の一箇所が痛み、その場所を押すことで痛みが悪化します。診断のために血液検査、超音波検査、CTなどを行います。

急性胆嚢炎

もともと胆嚢の中に胆石がある方で、石が胆嚢の出口にはまり込むことで炎症が起きると急性胆嚢炎となります。右の肋骨のすぐ下あたりに痛みを認め、吐き気や熱を伴うことがあります。身体診察で右の肋骨下を押されると痛みを自覚します。超音波検査で胆嚢の腫れなど特徴的な所見を認めることで診断されます。

尿管結石

腎臓から出る尿管という尿の通り道に、石が詰まることで痛みが出現します。左右どちらかの背中から脇腹のあたりに急に痛みが出現し、多くは眠れなかったりじっとして居られないほどの痛みとなります。石が移動すると痛みの場所も移動するため、当初は上の方に感じていた痛みが、途中から下腹部のあたりへ移動することもあります。診断のために尿検査や超音波検査を行います。

帯状疱疹

水ぼうそうウイルスの再活性化で皮膚に痛みと皮疹が出現する病気です。体のあらゆる所に起きる可能性があり、腹部に出ることもあります。お腹から背中までぐるっと体の左右どちらかに、一定の高さに限定して痛みが出ます。痛みの出現から数日遅れて赤みを伴うみずぶくれが出ます。服や下着がこすれただけでも皮膚に痛みを自覚する知覚過敏が特徴です。

下痢

急性の下痢の多くは感染症によって起こります。原因はウイルスや細菌で、それぞれに特徴的な症状がありますが、多くは特殊な治療を必要とせずに自然に改善します。慢性的な下痢では、原因を調べるための血液検査や、場合によっては内視鏡検査をご提案することがあります。

感染性胃腸炎

胃腸炎を引き起こすウイルスへの感染が原因となって起こります。典型的には比較的回数の多い水様性の下痢とともに、発熱や吐き気などを認めます。特殊な検査や治療はなく、時間の経過で自然に改善します。下痢便からは水分と電解質が失われるため、経口補水液などで水分を補給する必要があります。

細菌性腸炎

生肉(特に鶏肉)や不衛生な食品から特定の細菌が腸内に入ることで発症します。ときに38度を超える高熱や、血便を伴う下痢、波のある強い腹痛などを認めます。便の培養の検査で原因を特定できることがあります。鳥刺し等からキャンピロバクター腸炎を起こすケースがよく見受けられます。

便秘の解消時

しばらく便秘であった状態から、肛門付近の硬い便が排出されると、おなかの中に滞留していた便が一気に流れ出し、頻回の軟便〜下痢になることがあります。生理的反応であり、病気ではありません。溜まった便が全て排出されると、腹痛も下痢も自然に収まります。

過敏性腸症候群

腸の蠕動に問題があり、下痢や便秘と腹痛を繰り返す病気です。ストレス環境下で症状が悪化する傾向があり、出勤や通学の途中に腹痛でトイレへ行かざるを得ないなど、日常生活に支障が出ることがあります。過敏性腸症候群には下痢が優位となるタイプがあり、日によって排便の回数や便の性状に違いが出ます。発熱や血便などはみられません。

甲状腺機能亢進症

甲状腺の機能が病的に亢進することで、代謝に関連する甲状腺ホルモンが過剰に分泌されて起こります。慢性的な下痢の原因になると伴に、動悸、手の震え、発汗、微熱、頻脈、体重減少などを呈します。血液検査と超音波検査で原因を調べます。

潰瘍性大腸炎・クローン病

自己免疫疾患と呼ばれる類の病気で、自分自身の身体を攻撃するタンパク質が生成され、腸が慢性的に炎症を起こすことで発症します。慢性的な腹痛、血便、粘液便、発熱などを認めることがあり、内視鏡検査で診断されます。

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