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手足の関節痛、しびれ

手足の関節痛

関節痛については、痛みの分布や腫れの有無、痛みがいつから出現しているか、どのような時に痛みを自覚するか、などの情報によってある程度の原因を絞り込むことができます。特に内科外来を受診されるケースが多いのは痛風です。またご高齢の方では変形性関節症をお持ちの方も非常に多く見受けられます。左右の手足に複数の関節痛を認める場合には、関節リウマチや膠原病などの内科的疾患が隠れていないかも併せて確認していきます。

痛風

血液中の尿酸値が高い状態が持続していると、突然に一箇所の関節が腫れ上がり痛みが起きます。発症の部位として最も多いのは足の親指の付け根で、多くは炎症が起こってから1日以内に痛みのピークへと達します。風が吹いても痛いという名前の由来通り、歩行など炎症を起こしている関節を動かした際に激しい痛みを伴います。消炎鎮痛剤で炎症を抑え、尿酸値を抑えるお薬で再発を予防します。

変形性関節症

長い期間を経て徐々に関節表面にある軟骨がすり減っていくと、やがて骨そのものがダメージを受け、変形性関節症となります。重力や動作などで負荷がかかる関節は骨自体が変形し、関節の痛み以外にもこわばり、関節水腫、可動域の制限などを起こします。典型的には安静時には痛みが乏しく、関節可動時あるいは負荷をかけた際にのみ痛みが出現します。レントゲンでは関節の隙間が狭くなり、骨が削れて骨棘を形成し、骨の硬化などもみられます。

偽痛風

主として70歳以上の高齢者に出現する関節痛で、膝などの単一の関節が突然に腫れて痛みを伴う場合にはこちらを疑います。関節にピロリン酸カルシウム結晶という物質が沈着して引き起こされる関節炎で、レントゲンでは関節の間に石灰化の所見を認めます。NSAIDsと呼ばれる解熱鎮痛剤への反応が良好のため、内服で治療を行います。

関節リウマチ

自身の体を自身で攻撃してしまう膠原病と呼ばれる疾患群の中でも代表的な病気で、初期は朝方の関節のこわばりから始まり、病期が進行するとともに複数関節の痛みへと進展します。障害される関節の部位に特徴があり、痛みを自覚する関節の分布を詳細に診察するとともに、疑わしい場合には血液検査でリウマトイド因子や抗シトルリン化ペプチド抗体などを測定し、必要に応じて専門医へとご紹介します。

各種膠原病

膠原病と呼ばれるカテゴリーの病期は、複数の関節の痛みなどを起こすとともに、特徴的な皮疹や多臓器の病変を伴うことがあります。症状に応じて血液検査で精査を行い、疑わしい場合には膠原病科へとご紹介します。

 

しびれ

内科外来を受診するしびれの原因は、ほとんどが整形外科的な領域に由来するものです。多くは症状の分布と、悪化するタイミングを聴取することで原因の絞り込みができます。特に首や腰から手足へと伸びる神経根と呼ばれる部位が他の構造物で圧迫されることにより生じる神経根障害や、脊柱管狭窄などによる両足のしびれが原因として圧倒的に多いです。一方で、突然はじまった手足のしびれで脱力などを伴う場合などは、脳血管など緊急で精査が必要な場合もあるため注意が必要です。

頸部・腰部神経根障害

首や腰から出る神経はそれぞれ腕や足へと伸びていますが、脊髄という大元の神経から分岐したそれぞれの神経が根本の部分で圧迫されると、その神経が支配する領域に痛みやしびれを引き起こします。この神経の分布はデルマトームと呼ばれており、しびれなどの症状が出た部位から、原因部位の推定が可能です。診察時に、原因として疑わしい首や腰の神経に負担をかける姿勢を取ることで症状が誘発された場合に診断されます。必要に応じて整形外科でレントゲンやMRI撮影などが行われます。

末梢神経障害

手足の末端の細い神経が左右対称に障害されることで、指先や足裏のしびれを引き起こします。原因として最も有名なものは糖尿病ですが、他にもビタミン欠乏や感染症、自己免疫疾患など、多くの原因が考えられます。全身性の疾患に伴う末梢神経障害はしびれも左右対称に現れることが多いですが、特定部位の圧迫などしびれの原因が局所にある場合には、症状も一部分に限定されます。

脊柱管狭窄症

脳から出る脊髄という最も太い神経は背骨に囲まれた空間を通りますが、そのスペースが周囲の骨や椎間板などの変形に伴い狭くなって神経を圧迫することで、それより遠位部の下肢などに神経症状が出現する病期です。典型的には長時間の立位や歩行で両下肢のしびれや倦怠感が出現し、座位で改善するという症状を認め、間欠性跛行と呼ばれます。腰を曲げる動作で症状が改善するため、自転車などは問題なく乗れるケースがあります。MRIで骨の変形や神経の圧迫の程度を確認できます。

脳梗塞

ある時から急に、左右どちらかの手足のしびれとともに力の入りにくさなどを認めた場合には、脳血管障害の可能性があるため注意が必要です。しびれは顔面に認めることもあります。疑わしい場合には、当日中に頭のCTやMRIでなどの画像検査が可能な医療機関へとご紹介します。

手根管症候群

左右どちらか、あるいは両方の手のひらと親指から薬指のあたりまでの痺れがある場合に、手根管症候群を疑います。小指や手の甲には痺れを認めないことが特徴です。手首にある正中神経という神経が圧迫されることで起こります。軽度であれば保存的に治療を行いますが、長期間にわたり痛みや痺れが続いて生活に支障がある場合には、整形外科で手術を行うこともあります。

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