花粉症について
花粉症(アレルギー性鼻炎)とは?
花粉症は、スギやヒノキなどの花粉を吸い込むことで鼻や目にアレルギー症状が起こる病気です。正式には「季節性アレルギー性鼻炎」と呼ばれ、鼻水、くしゃみ、鼻づまり、目のかゆみなどが特徴です。春先だけでなく、地域や体質によっては秋や一年中(通年性)症状が続くこともあります。
花粉症は罹患する患者さんの数が近年で増えており、小児や成人の10〜30%に見られるとされています。都市部や工業地帯に住む人のほうが発症しやすい傾向があります。
花粉症の主な症状
よくみられる症状
- くしゃみ
- 鼻水、鼻づまり
- 鼻のかゆみ
- 後鼻漏(鼻水がのどの奥に流れ込む)
- 咳、のどの違和感
- 倦怠感、集中力の低下
- 目のかゆみ、充血
花粉症による生活への影響
- 睡眠の質が低下し、昼間の眠気や疲労感が強くなる
- 仕事の生産性や意欲が下がる
- 子どもの集中力が低下し、学業成績に影響
- 気分の落ち込みやイライラ、不安などを感じやすくなる
花粉症のリスク因子
- 家族がアレルギーを持っている
- 血液検査で特定のアレルゲンに対する特異的IgEが上がっている
- 生後1年以内での喫煙への暴露
- 抗生物質の早期使用
- ダニやカビなどの室内環境
- 大気汚染や交通量の多い地域での生活
アレルギー検査について
必要に応じて血液検査でスギ・ヒノキなどの花粉に対する特異的IgEを測定し、診断の補助とします。何に対するアレルギーか分からない場合には、複数の項目をセットでまとめて検査する方法(View39)があります。
花粉症の治療について
花粉症の対策は、アレルギーのもとであるアレルゲンに暴露することで症状が誘発されるため、アレルゲンにいかに暴露しない生活環境を整えるか、という予防の部分がもっとも重要です。また治療としては「症状をやわらげる対症療法」と「体質を変えていく根本治療」の2本柱で行われます。
生活環境の工夫
花粉の飛散量を減らすことはできませんが、自分のまわりの「花粉に触れる量」を減らす工夫をすることで、症状の緩和が期待できます。
- 花粉の多い時間帯(晴れて風が強い昼間)には外出を控える
- 帰宅後は玄関先で服をはらう、うがい・洗顔をする
- 帰宅後は早めに入浴し、髪や体についた花粉を洗い落とす
- 窓を開けっぱなしにしない、空気清浄機を活用する
- 布団や洗濯物の外干しを控える
- メガネ、花粉用ゴーグルやマスクを着用する
- 市販の花粉スプレー(静電気防止スプレー)を活用する
- 外出前に鼻の入り口にワセリンを塗布する
こうした環境対策と、必要に応じて下記のような薬物療法を組み合わせることで、生活への支障を抑えやすくなります。
薬物療法(対症療法)
もっとも一般的な治療法で、症状を軽減するための薬を使います。毎年同じ季節に症状が出る方は、花粉が飛び始める1~2週間前から薬を始めるのが有効です。
代表的な薬には以下のようなものがあります。
- 抗ヒスタミン薬:くしゃみ、鼻水、目のかゆみなどを抑えます。眠気が少ないタイプも増えてきました。
- ロイコトリエン受容体拮抗薬:鼻づまりに効果があり、特に夜間の鼻閉がつらい方に有用です。
- ステロイド点鼻薬:炎症を抑え、鼻づまりに強い効果があります。長期使用でも全身への副作用はほとんどありません。
- 点眼薬:目のかゆみや充血には抗アレルギー点眼薬が使われます。
必要に応じて複数の薬を組み合わせることで、症状をコントロールしていきます。海外ではステロイドと抗ヒスタミン薬が混ざった点鼻薬なども使用されており、いずれ日本にも導入される可能性があります。
アレルゲン免疫療法(舌下免疫療法)
薬だけでは十分な効果が得られない方や、長期的に症状を改善したい方に勧められる治療です。
代表的なのが舌下免疫療法で、原因となる花粉(スギ、ダニなど)のエキスを毎日少量ずつ舌の下に投与し、アレルギー反応を抑える体質へと導いていく方法です。おもな特徴は以下の通りです。
- 毎日自宅で内服(舌下)する
- 治療期間は3~5年程度
- 効果が出るまで数ヶ月かかる
- 子ども(5歳以上)でも可能
- アレルゲンが確定していないと適用不可
副作用はまれですが、開始直後はのどのかゆみや口内違和感が出ることがあります。
まとめ
- 花粉症はよくある病気ですが、生活の質に大きな影響を与えることがあります
- 抗原になるべく暴露しないように生活環境を整えましょう
- お薬は花粉の飛散より少し前に早めに開始しましょう
- スギ・ダニアレルギーは根本的な治療である舌下免疫療法が可能です
花粉症でお困りの方は、お気軽に中沢内科胃腸科医院までご相談下さい!
