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LDLコレステロールと心血管疾患

コレステロールと心血管疾患の関係

コレステロールは、体にとって必要な脂質の一種ですが、特に悪玉コレステロール(LDL-C)が高いと、血管の壁に蓄積し動脈硬化を引き起こす原因となります。動脈硬化が進行すると、心筋梗塞や脳卒中、狭心症などの心血管疾患のリスクが大幅に高まります。

一方で、善玉コレステロール(HDL-C)は、余分なコレステロールを肝臓へ運び排出を助ける働きがあります。したがって、LDL-Cを下げ、HDL-Cを保つことが健康維持のために重要です。

研究により、LDL-Cを低下させることで心血管疾患のリスクを軽減できることが証明されています。そのため、定期的な健康診断でコレステロール値をチェックし、必要に応じて生活習慣の見直しや治療を行うことが大切です。

心血管疾患リスクの評価

当院では、心血管疾患のリスク評価を行っています。10年間の心血管疾患リスク評価を実施し、LDL-Cの管理が必要かどうかを判断します。

リスク評価は、以下の要因を基に評価ツールを用いて行います。

心血管疾患リスクを判断する主な指標

  • LDL-C値(コレステロール値)
  • 年齢
  • 血圧
  • 喫煙歴
  • 心血管疾患の既往歴
  • 糖尿病の有無

これらのデータをもとに、以下のリスクカテゴリーに分類されます。

  • 低リスク(5%未満):特別な治療は不要だが、生活習慣の見直しが推奨される
  • 中リスク(5〜7.4%):生活習慣改善が基本だが、状況により薬物治療を検討
  • 高リスク(7.5〜19.9%):積極的なLDL-C管理が必要、スタチン治療を推奨
  • 非常に高リスク(20%以上):医師の指導のもと、積極的な薬物治療が必要

心血管疾患は突然発症することが多いため、リスクの高い方は早めに適切な対策を講じることが重要です。

生活習慣の改善

LDL-Cを下げ、心血管疾患のリスクを減らすためには、生活習慣の改善が不可欠です。当院では、以下の方法を推奨しています。

① 食事の改善

  • 動物性脂肪を控える:バター、ラード、加工食品(菓子パン・スナック菓子)を避ける

  • 地中海式食事法を取り入れる:オリーブオイル、ナッツ類、魚、野菜、果物を多く摂取

  • 食物繊維を多く摂る:玄米、大豆、野菜、海藻がLDL-Cを低下させる

  • 減塩を意識する:高血圧を防ぎ、心血管リスクを軽減

② 運動習慣をつける

  • 有酸素運動(ウォーキング、ジョギング、サイクリングなど):1日30分、週5回以上が推奨

  • 筋トレを取り入れる:基礎代謝を上げ、肥満の予防にもつながる

③ 体重管理

  • 適正体重を維持する:肥満はLDL-Cを増加させるため、適正体重を維持することが大切

  • BMI 25未満を目指す:食事管理と運動を組み合わせて適正体重を維持

これらの生活習慣を継続することで、LDL-Cを下げるだけでなく、全身の健康維持にもつながります。コレステロールに関係する食事や生活習慣の改善については下記リンクでより詳しく解説しておりますので、そちらも併せてご参照下さい。

脂質異常症の食事療法

LDL-Cを下げる薬(スタチン治療)

食事や運動を続けてもLDL-Cが十分に下がらない場合、医師がスタチンという薬を処方することがあります。スタチンは、肝臓でのコレステロール生成を抑え、LDL-Cを効果的に下げる働きがあります。

スタチン治療の適応

  • LDL-Cが190mg/dL以上の方:原則としてスタチン治療を推奨

  • LDL-C 100〜190mg/dLの方:心血管リスクに応じて治療を検討

  • 高リスク(10年間の心血管リスクが7.5%以上)の方:スタチン治療が強く推奨される

スタチンを服用することで、心血管疾患リスクを30%以上低減できることが研究で証明されています。

スタチンの副作用と代替治療

スタチンは比較的安全な薬ですが、以下のような副作用がまれに報告されています。

  • 筋肉痛や筋力低下

  • 肝機能の一時的な上昇

  • 消化不良、胃の不快感

もし副作用が強く出る場合、エゼチミブなどの代替薬を使用することも可能です。医師と相談しながら最適な治療方法を選択しましょう。

定期的な検査とフォローアップ

スタチン治療を開始した後は、4〜6週間後にLDL-Cを測定し、その後は定期的にフォローアップを行います。治療が効果的か、副作用がないかを確認しながら、最適な治療を続けていきます。

また、定期検査では以下の項目も確認します。

  • 肝機能(AST・ALT)

  • 筋肉の異常(CK値)

  • 血糖値(糖尿病リスクの確認)

患者様の状態に合わせて、検査の頻度を調整しながら、安全に治療を進めていきます。

当院での診療とご相談

コレステロール値の管理は、早めの対策が重要です。当院では、患者様の健康状態に合わせた適切なアドバイスと治療を提供しています。

コレステロールの治療をご希望の方は、中沢内科胃腸科医院までお気軽にご相談下さい。

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